drrr!!

・もう少しこのままで
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ドアを開けると不思議なことに電気が点いていた。いつもなら中で波江が作業しているのだが、誠二を見に行く、と言ってここ3日くらい家にいない。3日分の食事を作ってくれるなんて優しさは彼女にないらしく冷蔵庫は空っぽに近い状態だった。仕方なくコンビニ弁当を食べる毎日だ。ストーカーがばれて帰ってきたのかな、と思うがそれは違うとすぐに本能が否定した。
波江じゃない、もっともっと危険な人物だ。
ドクドクと心臓がうなる。がスッと鼻に入ってきたタバコの匂いで高鳴りしていた心臓はシュンと落ち込んだ。そしてソファーに図々しく座り込んでいる憎い奴に冷めた声をかける。


「やぁ久しぶり、でもないか、昨日ポスト投げられたし。いろいろとツッコミたいんだけど今日は疲れてるから単刀直入に聞くよ。なんでシズちゃんがここにいるわけ?」


息もつかず一気に吐き出す。疑問を投げつけたのにも関わらず無言のシズちゃんに大きくため息をつき、ついさっき買ったコンビニの袋からパンとチーズと苺オーレを取り出す。袋を開けパンに思いっ切りかぶりつく。あー、美味しくない。


「……お前さ」


シズちゃんが驚いたような顔で目を開く。


「な、なに?」
「いや、苺オーレ嫌いじゃなかったっけ?」
「は?」


確かに好きではないが嫌いと言った覚えはない。それに気分によっては週一くらいで飲むこともある。それになにより、そんなことが一体どうしたというんだ?


「高校の時に嫌いって言ってた気が…」
「よくそんなこと覚えてるねー。なに、俺に片思い中だった?ごめんねー、シズちゃんの気持ちに気付けなくて、まさか愛情表現が暴力だなんて気付かなかったよ。……あぁ、思い出した、そういえばあの頃は苺オーレ嫌いだったよ、シズちゃんが苺オーレ好きだったから。でもそれがどうしたのさ?」


早口で淡々と問う。
シズちゃんは言いにくそうに目を背けたがその目をまた追う。そのまま何も言わず黙っているとぽつりぽつりとシズちゃんが話しだした。


「幽がよ……しばらく見ない間に趣味とか、話し方とか、ちょっとした仕草とかが変わってんだよ。今まで一番自分が分かってるつもりだったのによ…」


あぁ。
目を細める。
やっぱりシズちゃんを人間らしくすることができるのははだーいじな弟くんなんだ。俺はただの気晴らし虫、ってとこかな。
足音を忍ばせ、ゆっくりとシズちゃんの側による。そして思いっ切り頭に拳をたたき付ける。


「うおおおぉぉぉぉ!!!」


いきなりの衝撃と驚きにシズちゃんが叫び声をあげる。そして乱暴に胸倉を捕まれる。


「テメェ……ッ!! ぶっ殺す!!!」
「えー、それはないでしょー。せっかく元気付けてあげたのにさぁ」
「あぁ!?」
「だってほら、俺をぶっ殺すくらいの元気でたでしょ?」


シズちゃんはそのまましばらく考え、またまた乱暴に手を放す。そして、ムカツク野郎だ、と言ったまま黙りこくってしまった。
あぁ、何可愛いことしてるのさ。俺がシズちゃんの赤くなった頬に気付かないと思う?


そして何も言わず、ポスッとシズちゃんの隣に座った。









もうしこのままで








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はじめてデュラララ書きました。
難しい…
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