Short Story

自覚と悲しさ
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ふぅ。
国語の授業中、僕はずっとため息ばかりついていた。
この頃、何かおかしい。
光といたら異様に疲れる・・・・ていうか、緊張するっていうか。
いつも通りなんだけど、一つ一つにドキッとしたりする。
始めは、兄弟愛のやりすぎかな、と思ったけど、やっぱり違うみたい。
ふぅ。
もう一度、ため息をつく。

「常陸院馨君、問一を解いてください」

あぁ、もう!
今はそれどころじゃないのに!!
見てわかんないの!?
とまぁ、教師に言うわけにもいかず、しぶしぶ前に出る。
って、僕、全然授業きいてないし・・・・・・
問題を見てみても、全く頭が回らない。
ど、どうしよう・・・・・・。

「先生ー、僕がやりまーす」
「「はっ」」

教師と僕の声が重なる。
もちろん、この言葉を発したのは光で・・・・・・。

「ね、いいでしょ?」

言い方は優しいけど、絶対に否定の言葉を言ってはならないような声。
教師が頷く前に、光がこっちに歩いてくる。

「馨、授業きいてなかったでしょ」
「う、ばれてた?」
「馨のことなら何でも分かるもーん」

光が鼻歌でも歌いだしそうな感じで、問題を解いていく。
その隣で、僕は密かに頬を赤らめていた。






「馨ー、なんでボーっとしてたの?」

休み時間になると、光がすぐに聞いてきた。
やっぱり、とは思ったが答えられない。
光のこと考えてましたー
なんてこと、僕には言えない。

「ねー、馨ー」
「もう、うるさいなー。僕だって考え事ぐらいするの!」
「馨、怒ってる?」
「別にー!」

プイッと横を向く。
光にはかわいそうかなとは思ったけど、とりあえずこの場をなんとかしたかった。

「馨・・・・・僕に相談してくれないの?」
「えっ」
「・・・・・・」
「光ッ!」

光はしばらく黙って、教室を飛び出してしまった。
うそ、そんなに怒ったの??
心臓がバクバクしている。
なんで?
ど、どうしよう。

「馨、追っかけたら」

ふと声の方を見ると、ハルヒが上目づかいでこちらを見てくる。

「光、泣いちゃったとか」
「ま、まさか」
「まさかって思うんだったら、なんでそんな不安そうな顔してるの?」
「・・・・・・」

ハルヒに言われてハッとくる。
そうか、不安なのか。

「馨・・・・・・」

ハルヒが背中を押すように言う。
ありがとう、とハルヒに言って、教室を飛び出した。


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