1/2ページ目 あれはいつだったかな? 光と一緒に見た冬の大三角形。 「夏の大三角形も見ようね」 二人で笑いながら約束した。 けど、その年は親戚が亡くなったりしてそんな暇はなかった。 あれから十年くらい? ふと見つけた日記でその約束を思い出したの。 十年の約束、夏の大三角形 「うわー、あっつ!」 学校からでた瞬間、光がいかにも不機嫌ですっていう声で言う。 空から容赦なく照りつけてくる太陽が原因だ。 空には雲ひとつなかった。 「ほんとだねー、今日はきれいな星空だろうね」 「星空なんてどうでもいいよ」 だるいなぁ、と呟く光を見て胸が痛む。 あぁ、やっぱり忘れてるんだなぁ。 自分も昨日まで忘れてたくせに、一度思い出すときになってしかたない。 「ねぇ、今日、星空見に行かない?」 「え、馨って星とか興味あったっけ?」 「いや、そんなんじゃないけど……」 ズキッと胸が痛む。 お願い光、気付いて……。 「ま、いいよ。いこっか」 光はそういうと別の話をしだした。 やっぱり、覚えてないよね。 僕との約束なんか忘れちゃってるよね。 今は、今の光の世界には僕以外の人がたくさんいるから……。 ついマイナス思考になってしまう自分をいやになりながらも、光にはそのことを言わなかった。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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