Short Story

十年の約束、夏の大三角形
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あれはいつだったかな?
光と一緒に見た冬の大三角形。


「夏の大三角形も見ようね」


二人で笑いながら約束した。
けど、その年は親戚が亡くなったりしてそんな暇はなかった。
あれから十年くらい?
ふと見つけた日記でその約束を思い出したの。










十年の約束、夏の大三角形








「うわー、あっつ!」



学校からでた瞬間、光がいかにも不機嫌ですっていう声で言う。
空から容赦なく照りつけてくる太陽が原因だ。
空には雲ひとつなかった。




「ほんとだねー、今日はきれいな星空だろうね」

「星空なんてどうでもいいよ」



だるいなぁ、と呟く光を見て胸が痛む。

あぁ、やっぱり忘れてるんだなぁ。



自分も昨日まで忘れてたくせに、一度思い出すときになってしかたない。



「ねぇ、今日、星空見に行かない?」

「え、馨って星とか興味あったっけ?」

「いや、そんなんじゃないけど……」



ズキッと胸が痛む。


お願い光、気付いて……。



「ま、いいよ。いこっか」



光はそういうと別の話をしだした。








やっぱり、覚えてないよね。


僕との約束なんか忘れちゃってるよね。


今は、今の光の世界には僕以外の人がたくさんいるから……。










ついマイナス思考になってしまう自分をいやになりながらも、光にはそのことを言わなかった。






















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