Short Story

レッツ クッキング!!
1/1ページ目

ある雨の日の午後。
僕と馨は、外に出れないので暇になり、てきとうなテレビを見ていた。
けれど馨は、眠くなったのか、たまに目をつぶっていた。
暇そうだな〜
襲っちゃおっかな〜
僕がニヤリと笑った時、テレビの中で、まぁおいしい!!、と大きな声が聞こえた。
声につられてテレビをみてみると、なにやらクッキーを食べているようだ。

『いやー、おいしいですね!』
『そりゃあ、愛情を込めて作りましたもん』

司会者がハハハと笑う。
……ちょっとまてよ。
僕、馨にクッキー作ってもらったことあるっけ?
一生懸命、頭の中から、古い記憶などを引っ張りだすが、そんな記憶はでてこない。
…僕、馨の手料理、食べたことないんだ……。
ショックをうけ、沈んでいると、馨に肩を叩かれた。

「ちょっと光? 何沈んでるのさ?」

心配そうな馨の肩をつかむ。

「え、ひか…」
「馨ッ!! クッキー作って!!」
「はぁ!?」

しばらくの沈黙。
あれ? 僕、変なこと言った?
すると馨が大きくため息をつく。

「はぁ、もう。光が悩んでそうだから心配したのに…そんなこと…」
「そ、そんなことって!! 馨の手料理たべたいんだよ〜」
「ば、バカじゃないの!!」馨がサッと頬を赤らめる。

「わ、分かったよ…。じゃあ、エプロンとか用意して」
「えー、僕が?」
「当たり前でしょ。つきあってあげるんだから」

はーい、と言いながら、タンスを開ける。
そこにはたくさんのエプロンが並んでいた。
僕は迷うことなく、メイド服をつかんで、馨に見せた。

「はい、どうぞ!!」
「あ、ありがとう。はやいね……何これッ!?」

馨にメイド服を取り上げられる。

「信じられない!! 僕は自分のを着るよ!」
「え〜」

ちょっと残念……









………。
馨の作ったクッキーをじっくりと見る。
その僕を見て、馨は頬を真っ赤に染めていた。

「ぼ、僕。は、初めてで…」
「……」
「時間とか…分からなくて……」
「……」
「ご、ごめん…」

馨が泣きそうな顔で謝る。

「馨……」
「…うぅ…ごめッ…」
「…ありがとう……」
「え…」

馨の頬を手で包む。
そして、馨が作ったクッキーを口に入れる。

「ありがとう、僕のために頑張ってくれて…」
「光…」
「ありがとう…」

そう言うと、馨の泣きそうな顔は、満面の笑みにかわっていた。


暇な日も馨の笑顔を見れば気分は最高★☆






[指定ページを開く]

章一覧へ

<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ