Short Story

僕が光で君が僕
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ねぇ、こんなこと本当にあると思う?






「…んっ……」

目を開けると、朝日が差し込んできた。
その眩しさに目を閉じる。

もう朝なんだ…

うっすらと瞳を開ければ、目の前に光がいた。


……光?


あれ、なんか変。


光にしては少し細っこく、男らしさが無いような気がする。


「光、光…起きて」


光を力の限り揺さぶる。

んもぅ、早く起きてよ!!


「…光、愛してる」


とびっきり甘い声で囁けば、案の定、光は目を覚ました。

そして僕に抱きついてくる。


「ちょ、光っ…」
「……あれ、馨の声って…?」


あーぁ、やっぱり。
僕の声にしてはちょっぴり低いよね。


光が不思議そうに首を傾げる。


「どういう………ッ!!」


立ち上がろうとした光が、急にしゃがみ込む。
目をギュッとつむり、何かに堪えているようだった。


「ど、どうしたの!?」

「こ、腰が…痛い…」


……まさか、だよね。
昨日、確かにエッチはした。
けど、それなら腰が痛いのは僕のはずで…


「光、大丈夫?」
「うぅ、痛い、よ」


あぁ、やっぱり。
これで確信がもてた。
僕たち、入れ代わってる…


「光、僕たち…」
「入れ代わってるよね」


どうやら光も気づいたみたい。


それにしたって神様、僕らを入れかえるなんてどういうつもり?
端からみたら分かんないじゃん。


ちらりと光の方を見る。
自分の顔と喋ったりとか、嫌だな…


「ねぇ、どうしよう?」


光が聞いてくるけど、そんなん答えられない。


だって僕らが入れ代わったって変わることなどちょっとしかない。
そこまで…


……


「光、いいこと思いついた」


光の顔がパァァと明るくなる。



そんな光にニヤリと笑いかける。




「光、エッチしよっか…?」










END







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