Short Story

愛してるって言ってよ
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「ねぇ馨、僕のこと好き?」



大晦日になったばかりの午前2時。
二人とも課題というつまらない物に追われていた時にふと、口から出た言葉。

答えは分かってるはずなのに不安になる。


馨は僕の方をちらりと見、無言で漢文の難しいプリントに目を落とした。
シャーペンをくるくると器用に回す馨が、なんだかはかなげに見える。


ねぇ、どうしてそんなに壊れそうなの…?


「無視しないでよ」
「言わなくたって分かってるでしょ」


淡々と言われると本当に傷つく。
なんだよ、最近、好きって言ってくれないじゃんか。
心の中でつぶやく。



「明日で年が変わるんだよ」
「だから?」
「その記念」


意味がわかんない、そう言ってほほ笑む。
馨はシャーペンを置き、僕を優しく抱きしめた。

腕から伝わる温度に涙が落ちそうになる。

あぁ、あったかい…



「もう寝よっか」


そう言って、馨は天使のように微笑み言った。


「キスしてあげようか?」






愛してるって
言ってよ






愛してるの言葉に何を恐れてるの?




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