Short Story

ただただ
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「う…か、お…るッ」
「ひかるぅ…ッ、ひッかる…」


僕らは今までにないほど抱き合っていた。
いつもは、どちらか一人が泣いているだけだったが、今日は二人が泣いている。


明日、馨が結婚してしまう。
馨はいきなり知らない女に会わされて、婚約されられてしまった。
馨はいきなりのことに猛反対したが、母さんは受け入れてくれなかった。
向こうが衣類関係で有名な会社だからだろう。


「かお、る…ッ…う…」
「光、ひかるーーッ!!」


馨の腕がよりいっそう、震える。
その震えを抑えるように、僕も馨を抱きしめるうでを強くする。


「いや、だよ…。僕…光といたい!! …ぅ、やだ…よぉ」
「馨……、かお、る」


馨は向こうの家に行ってしまう。
そんな馨にかける言葉が思いつかなくて、ただ名前を呼び続ける。


「光、ひかる…、キスして…、ん!!」


馨にくらいつくようにキスをする。
悲しくて、胸が痛くて、どうしようもなかった……。


「ん…、ひかる、光ー!!!」


キスを止めると、馨はまた泣き出す。
涙がかれるなんてことは、全くなかった。


「光……、抱いて」


馨が小さく言う。そんな馨が壊れそうで、そんな馨を見たくなくて、馨を押し倒し、胸に顔をうめた。











――――――――――――500を踏んでくれたpami様へ
切な…すぎですね。
甘さが足りないかも…
ご勘弁を!!
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